仙台市営地下鉄のICカード「icsca」が本当にお得なのか考える
仙台地下鉄ってSuica使えない。ダサすぎる、仙台市。 pic.twitter.com/TA4r5pzXWr
— 夏野 剛 Takeshi Natsuno (@tnatsu) October 20, 2014
仙台市営地下鉄で満を持してサービスが開始されるICカードのicscaですが、果たして料金面で利点があるのかを検証していきたいと思います。
まず料金体系についてですが、
- icscaを1回発行するのに500円かかる
- ただしデポジットなので返すと500円は返ってくる
- 基本的には運賃は変わらない
- 翌月以降使えるポイント(1ポイント=1円)が貯まる
となっています。
ちなみにこのポイントは貯まっただけでは何の効果もなく、ポイントをチャージ金に変換する作業が必要です。それを約1年間しないと失効することになるそうです。面倒臭いですね。
そして、このポイントの還元率が厄介なのですが、割と細かくなっています。
ひと月の利用頻度によってポイント還元率が上がっていくんだな〜というのはわかって頂けると思います。
また、ポイントはチャージ金に変換されるので、多分結果的にはポイント還元分にも利用時にポイントが付くということだと思います。ここらへんが家電量販店などのポイントとは違いますね。
ちなみに「仙台でSuicaが使えない!」とか「利権が!」とか言ってるおじさんがいましたが、平成28年春からSuicaも使えるようになる予定です。
(ソース:https://www.jreast.co.jp/press/2013/20140211.pdf)
さて、このサービスですが果たして本当にお得なんでしょうか?
ちなみに、既存の磁気カードのサービスに、スキップカード、ジョイカード、定期があります。
ただしスキップカードとジョイカードは2015年に販売が停止され、2016年に使えなくなる予定です。ではそれぞれの料金を比較してみましょう。
ジョイカード
ジョイカードは3000円と5000円のものがありますが、どちらも1割増となっています。
定期
定期は通勤および通学のみに使える、一定区間が一定期間乗り放題となるものです。料金は区間によって異なりますが、通勤用では通常使う区間だとだいたい運賃の38~39倍程度の料金になっているようです。
さて、これらのカードを比較して、これから約1年間はicscaを使う意味があるのでしょうか。
なお、利用区間は私がよく利用する泉中央↔仙台の区間で考え、バスは考慮しないものとします。
まずジョイカードよりicscaを使った方がよくなるには、月のポイント還元が合わせて10%を超える必要があります。もし常に同じ区間を利用する場合、それは35回目になります。
次に、定期券について考えます。定期券が通勤利用の場合で11,450円、通学利用で8,810円です。ポイント還元を考えてicscaで利用額が8,810円を超えるのは33回目ですので、33回を超えると定期のほうがお得になります。また33回を超えない場合は前述の通りジョイカードの方がお得なので、学生はicscaの出番がないことがわかります。
またicscaで11,450円を超えるのは44回目なので、月44回以上利用する社会人も定期のほうがお得になります。
なお今検証したのは1ヶ月定期ですが、6ヶ月定期まであり、そちらを使った方が良い場合もあります。
以上のことから、
- 学生であれば月33回以上利用するなら定期、そうでなければジョイカード
- 社会人であれば月44回以上利用するなら定期、35回以上・43回以下ならicsca、それ未満ならジョイカード
- それ以外の人なら35回以上利用するならicsca、そうでなければジョイカード
を使うのがお得という結果となりました。
大体の人は定期かジョイカードで良いと思います。
これは2015年にジョイカードが使えなくなるまでの話ですが、それまでは以上のことを参考にしてみてください。
11月20日追記
上の想定はあくまで一定区間しか利用しない場合ですので、異なる区間を利用する事がある場合は定期が使えないのでicscaの方がお得な場合もあります。